12月に入ると、「師走（しわす）」という言葉を見聞きするようになります。
師走は旧暦の12月を指す和風月名のひとつです。最もよく知られている語源説は「師（僧侶）が仏事で各地を駆け回るほど忙しい月」というものですが、実は語源には諸説あり、確定していません。いずれにせよ、年末の慌ただしさを表す言葉として現代まで使われ続けています。
年末には、ほかにも「年の瀬」「暮れ」「大晦日」といった言葉があり、それぞれ異なる背景を持っています。
- 年の瀬：もともと「川の瀬（流れが急な浅瀬）」を意味する言葉です。「年の瀬を越す」という表現には、忙しく厳しい時期を乗り切るという意味が込められています。
- 暮れ：「日が暮れる」から転じて、物事の終わりを表すようになりました。「年の暮れ」という言葉には、1年の終わりを静かに振り返るような響きがあります。
- 大晦日：12月31日その日を指す言葉です。「晦日（みそか）」は月の最終日を意味し、1年で最も特別な月末ということで「大」をつけて呼ばれるようになりました。
このように、日本語には年末を表す多様な言葉が存在します。それぞれの語源をたどると、季節の感覚や社会の営みが見えてきます。カレンダーの最後のページをめくりながら、お子さんとこうした言葉に触れてみるのも、良い年末の学びになるでしょう。