第二言語として日本語を教えるときに、しばしば言葉の使い方の説明に困ることがあります。多くの日本人は母語として日本語を自然に習得していくので、ロジカルに文法を考えなくても話すことができます。
例えば、主語を話すときの「が」と「は」の違いをうまく説明できるでしょうか。
- 私は、学校へ行く。
- 私が、学校へ行く。
実は、文脈や状況よって使い分けはかなり複雑で、いくつかのパターンがあります。
1つだけ紹介すると、「私」を強調したいなら「が」を使い、「学校へ」を強調したいなら「は」を使います。
- の文なら、相手に伝えたいことは「私」よりも、「学校へ」や「行く」ことでしょう。
「私が」と聞けば他に誰かがいる中で発言していることが予想されますよね。
もちろん、私たちはさまざまな状況によって他のパターンも無意識に使い分けています。改めて考えてみると、母語を自然に習得できる人間の脳に驚かされる思いです。