日本の学校でのローマ字学習

日本語では、主に2種類のローマ字表記が使われています。一つは「ヘボン式」、もう一つは「訓令式」です。ヘボン式は、アメリカ人医師のジェームズ・カーティス・ヘボンが考案したもので、英語の発音に近い表記になっています。例えば、「しゃ、し、しゅ、しぇ、しょ」は、それぞれ “sha, shi, shu, she, sho” と表記します。

一方、訓令式は、日本政府が1937年に制定したもので、日本語の発音により忠実な表記になっています。例えば、「しゃ、し、しゅ、しぇ、しょ」は、それぞれ “sya, si, syu, sye, syo” と表記します。

日本の学校では、通常小学校3年生の国語で、訓令式のローマ字を学習します。小学校から、外国語活動や教科としての英語の学習が始まるため、日本人でもローマ字表記に関して混乱することがあります。

例えば、「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の違いは、ヘボン式では “ji, zu” と表記しますが、訓令式では “zi, du” と表記します。また、「ん」は、ヘボン式では “n” と表記しますが、訓令式では “nn” と表記します。

実は、このややこしい2種類のローマ字表記が、2024年に改正される可能性があります。すでに文化庁では有識者会議が開かれており、英語本来の発音に近い「ヘボン式」に表記ルールを合わせる方向で動いているようです。

3年生の国語のローマ字の学習内容も変わってしまうかもしれません。