実は6月の晴れ間を表す「五月晴れ」

「五月晴れ(さつきばれ)」と聞くと、春の心地よい青空を思い浮かべますよね。ゴールデンウィークの頃によく見られる、雲一つない青空と穏やかな陽気を指す場合が多く、運動会や遠足、行楽などのイベントにぴったりの天候として広く使われています。

実は、本来は旧暦の5月、つまり現在の6月頃の梅雨の晴れ間を指す言葉です。梅雨の時期のわずかな晴れ間を指し、しっとりとした空気と共に訪れる静かな晴天を表しています。和歌や俳句にも多く詠まれています。

「五月晴れ」という表現は平安時代から使われてきたと言われています。当時の文人たちにとって、長雨の合間に見える青空や陽光は特別な美しさを持つものとして捉えられ、「五月雨(さみだれ)」に対比する形で「五月晴れ」という言葉が生まれました。

意味が時代とともに変化してきた言葉の一例として、「五月晴れ」は日本語の奥深さや面白さを感じさせてくれる言葉です。